ナローボート日記
2022-05-23T08:42:34+09:00
captainpook
イギリス運河より、ナローボートライフを紹介します。
Excite Blog
2022年5月25日にアートローグさん主催のZoomでナローボートのお話しをします!
http://pook.exblog.jp/32596358/
2022-05-23T08:35:12+09:00
2022-05-23T08:42:34+09:00
2022-05-23T08:42:34+09:00
captainpook
お知らせ
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Zoomでチャリティーイベント!「ナローボートdeクリスマス」無事終了。
http://pook.exblog.jp/32421995/
2021-12-26T23:56:00+09:00
2021-12-26T23:56:42+09:00
2021-12-26T23:56:42+09:00
captainpook
お知らせ
支援金は全て児童養護施設団体「あしながサンタ」へ寄付させていただきます。
ご参加いただいた皆様には心より感謝いたします。
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2021年12月24日20時よりZoomでチャリティーイベント!「ナローボートdeクリスマス」
http://pook.exblog.jp/32416904/
2021-12-22T01:54:00+09:00
2021-12-24T05:50:24+09:00
2021-12-22T01:54:33+09:00
captainpook
お知らせ
日本に介護で帰国してからナローボートが恋しくて、恋しくて…、元気がなくなってしまった私ですが、やっとイギリスのナローボートに戻ってきました! ナローボートに乗っていると「やっぱりいろんな人にナローボートの魅力を知ってもらいたい」と思わずにはいられない…。今回、「イギリスどこでもツアーズ」さんのお声がけで、オンラインチャリティーイベントを行うことになりました。イギリスのクリスマスマーケットや小さな村のクリスマスイベントに出かけた後は、ナローボートでのクリスマスミール、そして冬のクルーズも動画でご紹介します。 ZOOMで皆さんと一緒にクリスマスパーティーです‼参加費は全て日本の児童養護施設の子供達をサポートする 「あしながサンタ」へ寄付されます。イベント開催日12月24日 日本時間20:00~ イギリス時間11:00~約1時間半を予定参加料:1200円~(全て寄付金として使わせていただきます。もちろん参加費以上の寄付も受け付けています)↓↓↓詳細は「イギリスどこでもツアーズ」 さんのこちらのお問い合わせフォームよりお願いいたします。参加希望、お問い合わせフォーム → https://ukdokodemo.com/contact.html
多くの子供たちのために、皆様の温かいご支援いただければ幸いです!!沢山のサンタクロースの皆様方のご来場心よりお待ちしております!! ]]>
春のイギリス運河を思い出す…
http://pook.exblog.jp/32062817/
2021-03-28T23:51:34+09:00
2021-03-28T23:58:35+09:00
2021-03-28T23:56:48+09:00
captainpook
未分類
今、桜が見頃ですね。
いつもこの時期はイギリスでナローボートの運行準備をしていたので、日本から送られてくる写真や動画でお花見をしていました。イギリスにもピンクの色が濃い八重桜はよく見かけましたが、日本人の心にはやはり「ソメイヨシノ」がグッときますね。
そして時折聞こえる「ホーホケキョ」。
先日は21年ぶりに聞こえてきた、うぐいすの声に感激して、イギリスのアンディに電話して一緒に聞いてもらいました。
さて、今週末でイギリスも夏時間に変わりました。これからは時差が8時間になります。
イギリスでは毎年4月初旬頃からボートシーズンが始まります。
ホテルボートでの春の「菜の花クルーズ」は夏の忙しいシーズンが始まる前のウォームアップになっていました。
思い出に浸りながら、春の運河クルーズをちょっとだけご紹介させて下さい!
まずはラッパ水仙から始まるイギリスの春。
一面に広がる菜の花の黄色が眩しかったのを思い出します。
この時期、運河沿いの牧草地には羊の赤ちゃん達が元気に走り回り、お母さんに甘える可愛い姿がそこら中に見られます。
そして運河の上では鴨の赤ちゃんもちょこちょこと泳ぎ回り、その愛らしさにこちらも自然と笑顔になります。
今まで長い間見れなかったソメイヨシノが咲き乱れる日本の春とホーホケキョ、感激したにもかかわらず、無いものねだりでイギリス運河の春も懐かしく思い出したりしてしまいます。
コロナ前のように、自由に渡航ができるようになったら、是非皆さんもイギリス運河の春のクルーズにお出かけ下さいね! 運河沿いの風景を見ているだけでも心の充電ができますよ。
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2020年、お世話になりました!
http://pook.exblog.jp/31921017/
2020-11-04T03:14:07+09:00
2020-12-31T18:26:41+09:00
2020-12-31T18:13:19+09:00
captainpook
未分類
出発当日はアンディがヒースローに送ってくれました。でも駐車場から出発ターミナルに入ろうとしたら「見送りの人はここまで」との貼り紙があり、ターミナルの外でお別れとなりました。
ヒースローの搭乗口もガラガラ、機内も座席の半分は空席でした。
機内で検疫の質問表に記入していざ日本へ。
羽田到着後のコロナのテストは唾液検査でしたが、唾液を出して下さいと言われても、すぐに出るものではなく少々苦労しました。
唾液を採取する為に個々に区切られたブースに入り、目の前に貼られている「梅干しとレモン」の絵を見ながら、頑張って唾液を渡された容器の線の部分まで入れるのですが、時間がかかっていたせいか、何回か検疫の方が回ってきて、私の容器を見ながら「この線までもうちょっと頑張って下さいね」と励ましてくれました。
田舎のナローボートで半自主隔離状態から帰国だったので、コロナの検査は陰性であると自信はありましたが、改めて陰性結果が出ると嬉しかったです。
2週間の検疫の間は毎日保健所から健康確認の電話があり、「こういうところが日本だよなぁ」と感心しました。
この2週間の間、外出禁止に関しては全く苦痛を感じませんでしたが、インターネット接続が無かったのは苦しいと感じました。私が学生だった頃はネット環境など無い時代でしたが、ちょっとした調べ物や情報収集、ネットバンキングなど出来なくて大変不便を感じました。インターネットは生活の一部になっているのだなぁとしみじみ思いました。
選挙に出馬する前のホリエモンが言ってた通りの世の中になって来たなぁと、昔を思い出したりしちゃいました。
2週間の検疫が終わって外出できるようになってから1番やりたかった事は髪の毛を切る事。
1年分を切り落としてスッキリショートにしたかったのです。
ビフォー・アフターを撮りました!
実家での介護生活は正直言って大変です。休みの無い介護ホームの職員になった感じ。
介護職の方々には本当に心から脱帽です。
父は身体は動けますが認知症。同じ質問を繰り返すのは良いのですが、せっかく分別したゴミを一つのゴミ袋に入れたり、一緒に買い物に行ったら会計に並んで目を離した隙に居なくなってしまったり。家では補聴器を入れたがらずに朝から晩までTVが大音量、ナローボートで小鳥の声や風の音を聞いていた私にはキツイです。父が居眠りをする度にTVを消すのですが、消すとすぐに目覚めてスイッチオン、どうして消すと目覚めるのでしょう?
母は身体が動けない分いろんな指示を飛ばします。「〇〇してちょうだい」「XXしておいて」「△△買って来て」せっかちな母は指示を飛ばして私が直ぐに行動しないと「早くやってちょうだい、何ダラダラしてるの」
「私の体は一つです!」と言い返すも聞く耳無し。
時折「私はシンデレラか?アンディ王子様がいつか私を助けに来てくれるのかしら?」と思ってしまいます。母はアンディの事が大好きで、アンディの言う事は良く聞くのです。アンディはおばあさんキラーかも。
介護ホームのようにアクティビティを考えたりもしてます。一緒に野鳥の餌台のデザインを考えて作ったり(ヒヨドリやハトは小鳥を押しのけるので、小鳥だけが入れる餌台)
クリスマスケーキをデコレーションしたり、
季節を感じるメニューで食事を用意したり、
小さな介護ホームに住み込みで就職したみたいです。
と言っている間に2020年も終わりですね。
世間一般にコロナ一色の年だったかもしれませんが、私個人としてはいろんな事がありました。
「2ヶ月間のお一人様クルーズ」
「ホテルボート廃業」
「アンディとのしばしの別れ」
「介護生活」
何事にも終わりがあって、終わりは何かの始まりです。
コロナもいつか必ず終わります!
今は誰もがいろんな心配事を抱えているはず、今が楽しい人は思い切り楽しんで、苦しい人は現状を少しでも笑えるように努力して、前向きに行きましょう!
皆様、どうぞ良いお年を!
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ホテルボートを終えてからの近況。
http://pook.exblog.jp/31737475/
2020-10-17T00:27:44+09:00
2020-10-22T20:29:54+09:00
2020-10-22T20:29:54+09:00
captainpook
未分類
私達はお客様に支えられていたんだなぁとつくづく感じました。改めて、
今まで本当にありがとうございました!
さて、その後どうしているかというと、各関係組織に廃業の報告をして、船舶保険の種類の変更やら、営業許可証の返金手続き、会計士との連絡など事務的な事をしていますが、先方もコロナ対策で事務所の人数を減らしている為か、担当の人がいないとかで、間違いがあったり、連絡が滞って保留にされたり、なかなかスムーズにいきません。イギリスだからかしら?😅
先日は1人ボートで整理を始めました。業務上の書類の片付けです。積み上げたら12.5cmありました!
この書類を入れていた引き出しが随分と軽くなり「空いたスペースに何を入れよう?」とふっと思いましたが「ダメ!ダメ!」
断捨離第一段階なんだから!
目指せミニマリスト!
目指せシンプルライフ!
会計上保管しておかなければならないものがまだありますが、それでも多少はスッキリしました。
これから数を揃えていたグラスやお皿なども少しずつ減らしていこうと思います。
10月9日は私達の28回目の結婚記念日だったので、列車に乗ってWeston super mareのアンディに会いに行きました。コロナで最初にロックダウンになった3月から公共交通機関を利用していませんでしたが、列車を3回乗り継いで行きました。平日のお昼時だったからか、どの列車もガラガラ。私の周り5m以内に誰もいなくて十分すぎるくらいのソーシャルディスタンス、乗客はマスクをしてますが皆1人で移動しているので誰の話し声も聞こえませんでした。
結婚記念日は普段だったらまだクルーズシーズン中なので、特別な1日を過ごす事はありませんでした。マナーハウスや高級ホテルで贅沢な時間をゆったり過ごしたいと長い間夢見て来ましたが、今年はコロナ…。
そんな訳で、あえて部屋数が少ない個人営業の田舎のB&Bに宿泊して、そのすぐ近くのパブで夕食をして、こじんまりとプチお祝いする事にしました。
アンディとお泊まりしたB&BはAxbridgeという小さな町の外れにあるのんびりとした場所でした。行ってみたら部屋に置いてある備品や朝食のサービスの仕方、油を控えた調理の仕方なども私達のホテルボートととても似ていて驚きました。私達がナローボートでなくてB&Bだったら、きっとこうなっていただろうと思わざるを得ないくらい。
通されたお部屋は「RED ROOM」という、このB&Bでは唯一バリアフリーのお部屋との事。予約するのがギリギリだったからかな?
お部屋の名前の通り赤かった!🤣
パブもB&Bのアドバイスで事前に夕食の予約してました。時間通りに行くとほかのお客さんと接触する事無く、Snug room(スナグとはホッコリと心地良くて安心できる小さな空間の事)へと案内され個室状態! 礼儀正しくもフレンドリーなイケメンさん😍がウェイターで、料理に合うワインも勧めてくれて、サービスも含めて全て大満足でした。
B&Bもパブもコロナ対策が素晴らしいくらいしっかりしていて何の心配もありませんでした。この大変な時期に個人営業のお店を応援したくなるのは、私達が個人営業だったからかもしれませんね。
B&Bをチェックアウトしてその夜はアンディの両親宅に立ち寄るつもりでしたが、お母さんから電話がありました。
「お父さんの具合が悪くて今救急車を呼んだ」と。
呼吸が浅く、ベッドから起き上がれないという事。
「…コロナ?…」
少し時間をおいて電話したら
「救急隊の人曰く血中酸素濃度が90%を下回っているけど、少し様子を見るって。」
「え〜っ!酸素足りてない?コ、コロナ?」
昼過ぎに再び電話。
「このまま自宅待機で様子をみる事になったけど大丈夫そうよ。お父さん今ベッドに起き上がってお茶飲んでる。今朝よりも呼吸出来るって言ってるわ。かかりつけの医師にも電話で説明したら、おそらく気管支炎だろうって。とにかくゆっくり休むように言われたわ」
という事で私達は両親宅を訪れる予定を変更してナローボート帰りました。アンディはボートに1泊して、翌朝またWeston Super Mareに戻って行きました。
お父さんがコロナじゃなくて本当に良かったです。あれからお父さんは完治して日課のガーデニングをしているようで一安心です!
本当に今までの普通が覆りましたね。現在イギリスは物凄い数のコロナ感染者数と死者数になっています。
思えば私達は田舎の運河に浮かぶナローボートという、言ってみれば「半自主隔離状態」の生活が普通のライフスタイルです。その私達でもひしひしと感じる普通が普通でない世の中になった訳です。陸の人にとってはもっと厳しく感じるのかもしれません。
しかし、変化した世の中を受け入れられない一部の人達によって感染者や死者数が増えているのは大変残念で悲しい事です。
EU離脱が決まり合意なき離脱になるやも知れぬイギリス、コロナ問題も抱えたままどんな未来に進んでいくのでしょう?
イギリス内に居ながらにして、半隔離状態の細長いナローボートの中で思いを巡らせる今日この頃です。
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廃業のお知らせ
http://pook.exblog.jp/31683107/
2020-09-24T04:47:00+09:00
2020-09-24T04:47:17+09:00
2020-09-24T04:47:17+09:00
captainpook
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ブラウン家のボートセラピー
http://pook.exblog.jp/31610168/
2020-08-25T15:12:00+09:00
2020-08-26T00:11:48+09:00
2020-08-26T00:07:02+09:00
captainpook
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まだ1人でクルーズしている途中、ホーム・モーリングに到着する1週間ほど前にイギリス在住の日本人のお友達から電話がありました。
倒れて救急車で運ばれて即入院。いろいろな検査をして結果を待っているところだという本人からの電話でした。
ホーム・モーリングに到着してから間もなく、「余命数週間の宣告を受けたのでお別れにママに会いに来てください」と娘さんから連絡を受けましたが、会いに行こうにもコロナの影響で面会制限があり、実際に会う事はできませんでした。
ビデオコールで短時間話しましたが時々辛そうでした。彼女は脳腫瘍でした。
そして入院から本当に数週間で他界してしまいました。
私の仕事柄、実際に会ったりできるのは1年に1回くらいでしたが、彼女が1人でロンドン市内の路地裏散歩した時や、運河沿い、水辺を歩いた時、得意の1人旅でヨーロッパに小旅行に出る度にメールがありました。
彼女の視点とユーモアがたっぷり詰まった旅のメールがもう届かないと思うと、言葉が出てきません。
イギリス在住の、数少ない日本人の友達を失ってから、眠れない日が続いて私は骨無しになりました。1人クルーズの途中だったら、しばらくそこから動けなくなっていたと思います。
Bidfordのボート仲間が適当に放っておいてくれつつも、気にして適当な間隔で声をかけに来てくれるのはありがたいと思いました。
そして今、実はWeston Super Mareに来ています。アンディがやって来て、私も一緒に連れて来られ、弟夫婦の家に来てお世話になっています。
アンディ家族は全員船好きの家族。
両親は数年前に自分達のクルーザーのエンジンに故障があった際に年齢的な無理を感じてボートを手放しましたが、私達はナローボート、弟はヨットを持っていて、1番下の弟はカヌーやカヤックです。
みんな私の1人クルーズを心良く応援してくれていました。
1人クルーズ終了直後に私が骨無しになって、アンディの家族がいるWeston Super Mareにボートセラピーに連れて来られた感じです。
ヨットを持っている弟は
「アンディがあつこをナローボート好きにできたのだから、今度はヨット好きにさせる」
と言っているそうです。
この所、天候が思わしくないので、セーリングに出るチャンスを見計らっていて、チャンスが来たらすぐに一緒に出られるように弟夫婦の家に待機しているようなものです。
私は正直なところ、友人の死のショックが大きい事に自分でも驚いています。
動揺して心がいつも震えているというか、少しずつ治まってきましたが、手も震えています。
9年前にもイギリス在住の同じ歳の日本人の友人を失いました。年齢の近い日本人の友達がこの世を去って行くのを見て、いろいろ考えさせられます。
そんな訳で、アンディやアンディの家族に従って、運河のナローボートから場所を変えて、弟のヨットでボートのセラピーを受けて、しっかりしようと思います。お天気次第ですが…。
写真は弟のヨットです。
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「お一人様クルーズ」イギリス運河巡礼の旅、無事に終了!
http://pook.exblog.jp/31587729/
2020-08-10T10:01:00+09:00
2020-08-15T23:05:06+09:00
2020-08-15T23:05:06+09:00
captainpook
お一人様クルーズ
Stratford upon AvonからBidford on Avonと2日間に分けてクルーズし、ホーム・モーリング(停泊場)に1年半ぶりに戻りました。
今回のWilmcote Flightの連続ロックにはちゃんと運河に水がありました!
ロックキーパーズコテージの窓から真っ赤なAt Ease号が見えたと言って、ピートがわざわざコテージから出てきて私のロック作業を手伝いながら質問攻めでした。
「どこまで行ったの?エンジントラブルは無かった?他の運河の状態は?ボートは多かったか?1人で大丈夫だったか?」たくさんの質問に答えたり、クルーズ中にあった事、見た事を話してから私が
「Stratford upon Avonやこの運河は何も変わった事はない?」と聞くと、ピートは私に一歩近づいて言いました。
「ちょっとした戦争が始まったんだよ。」
「戦争?」
「ホームレスのジャック・ザ・ネイビーとソーシャルワーカーの戦争だよ」
「ジャックはそういう宿泊施設に行きたくないって言ってたのは知っているけど、何かあったの?」
「ソーシャルワーカー達が頻繁に来るようになってね。ある朝また2人組でやって来たんだけど、ジャックはその時テントに居なかったんだよ。そしたら2人のソーシャルワーカーが、ジャックのテントの周りを黄色と黒のハザードテープでグルグル巻いて立ち入り禁止にしちゃったんだ。もちろんジャックはテープを剥がしてゴミに捨ててたけどね。少しエスカレートして来たよ」
「そうなんだ…。」
2人で長々とロックで話していたらボランティアロックキーパーが歩いてきました。ピートとのおしゃべりを終わらせなければいけない雰囲気をピートも私も察知して、「元気そうで良かったよ。じゃぁSee you soon!」と言ってピートはコテージに帰って行きました。
そして見慣れないボランティアロックキーパーが連続ロックの3つを手伝ってくれてトントンと進み、ジャックのテント横のロックに来ましたが、ジャックの姿はありませんでした。ジャックの自転車もなかったので、きっと何か買いに出かけているのだと思いました。
ボランティアロックキーパーが、私に
「1人なの?」と聞くので、
「そう、1人よ」と答えると、驚いた顔で
「ボート歴はどれくらい?」
「うーんと、21年、今年で22年目」
「何だって? 21年?」
「うん、21年。」
「君はいったい何歳なんだい?女性に聞いちゃいけない事だけど…」
「あら、若く見えた?私52歳よ」
「52歳?」化け物を見るかのようなリアクションです。
「良く見るとシミ、シワ、白髪もたくさんあるでしょ、ほら。」と帽子を取ると
「本当だ白髪あるね。35歳くらいだと思ってたからボート歴21年ってびっくりしたよ」
「35歳と言ってくれてありがとう!コロナじゃなければ抱きしめちゃうわ!」
内心「本当だ白髪がある」って指差す事は無いと思いましたが、適当な会話をして3つのロックを通り、ボランティアロックキーパーとはお別れ、私は少し距離の離れた次の3連続ロックに向かいました。
すると、この3連続の途中で向こうからジャックが自転車を押して歩いて来ました。
「やあ、1人旅はどうだったかい?」
私は2ヶ月の旅を要約して話しました。ジャックに直接ソーシャルワーカーとの戦争を聞いてみようかとも思いましたが、ジャックのからテントの事などを話す気配がなかったので、話題にするのはやめました。でもいろんなボートの話しに花が咲き30分は立ち話をしていたと思います。
楽しく話していたら後ろからナローボートが来たので、私は動かなくてはいけなくなり、ジャックに「またね〜」と言って次のロックに進みました。ジャックの顔が見て、何だか少し安心しました。
Wilmcote Flightを終えて、出発時にスーパーのカートが挟まって開かなかったロックに到着、今回は問題なく通過して、ロックダウンで停泊していた場所に泊まる事にしました。
ロープでしっかりとボートを舫ってから、外出禁止中に飽きるほど見た運河の景色を見渡しました。
「ここから出発したんだ。この2ヶ月で私は何かを得たのだろうか?」
答えは分かりません。
今は2ヶ月を無駄にした訳ではないだろうと漠然と感じているだけです。もっと何年も後になってから、何かもう少し具体的に見えてくるのかもしれませんね。というか、そうであって欲しいです。
日が暮れる頃、対岸に停泊しているボートから「お帰り〜!」と電話がありました。ロックダウン中にお友達になり、電話番号を交換したダイとクレアの夫婦です。奥さんのクレアは私と同じ年齢で、私の父と近い年齢のお父さんの家事手伝いで毎日自立型ケアハウスに通っていました。電話の話しによると、彼女は私が出発した後で転んで腰の骨を折り、一時はお父さんより動けなくなったとの事。現在リハビリ中で、入院中は1人でクルーズに出掛けた私の事を羨ましく夫婦で話していたそうです。
私は1人でクルーズに出れて、本当にラッキーなのだと実感しました。
Bidford on Avonの停泊場でボートに住んでいる友達の女性、Margからまた電話がありました。
彼女はこの2ヶ月頻繁に電話してきて、
「今どこ?私も一緒にクルーズしたいの。いつでも良いから呼んでね。いつでも都合つけるから。」と何度となく「一緒に連れて行って!」をアピールしていました。彼女は10年前にご主人を亡くしてから自分のボートを1人で操船できなくて、チャンスが有れば誰かのボートに一緒に乗ってクルーズをしています。アンディや私が操船を教えると言っても、この停泊場以外の場所で1人で泊まるのは嫌なのだそうです。そんな訳で彼女は動かないハウスボートと化したボートの中で相当暇を持て余していたのだと思います。気持ちは分かりますが、ロックダウンが解除と言っても段階的な解除で、親族でない別世帯の人が一つのボートに乗れるようになったのはつい最近。それでもソーシャルディスタンスなど、2mの幅のボートでは無理な話しです。
でもこのまま1人でBidfordの停泊場に戻ったらMargがひねくれそうなので、Stratford upon AvonからBidford on Avonの停泊場まで一緒にクルーズする事にしました。もし1人だったらエイボン川の途中で最後のお一人様停泊をするつもりでしたが、Margが私のボートで宿泊しなくても済むように、一気にBidford まで帰る事にしました。
エイボン川はAvon Navigation Trustの管理ですが、驚くほどメンテナンスが悪く、怒りさえ感じました。Covid-19を理由にスタッフ1人でできる簡単な日ごろのメンテナンスも怠っているのが明らかでした。
水の調節をするパドルは壊れたまま、ゲートは泥が溜まり1人で押し開けるのは不可能に近く、ベタベタと貼られた「ソーシャルディスタンスを守って安全なクルーズを!」という張り紙を無視して2人並んで押すしかない状態でした。
張り紙をロックに貼って回る前に、1人の労力でロックができるようにメンテナンスをするべきだと思うのは私だけでは無いはずです。
アンディと普通にクルーズすれば4時間半、私1人でも5時間で行けるクルーズは6時間もかかり、途中雨に降られたりもしましたが、気温が高かったので濡れた服もすぐに乾いて、ついに1年半ぶりにホーム・モーリング(停泊場)に到着しました。
同じ停泊場にいる、数年前までスペインに住んでいた定年退職者のMikeが、ボートヤード内で私が停泊ポジションに動かしている途中、舳先に出て来て
「久しぶり!やっと帰って来れたね。」と手を振って迎えてくれました。ロープを舫ってエンジンを止め、Margとワインボトルを開けていたら、ボート整備を仕事にしているもう1人の若いMikeも仕事から帰って来たようで、エンジンオイルで黒く汚れた手のまま自分のボートからビールを片手にやって来て、自分のお尻がエンジンで汚れていない事を確認してから、私の隣のボートに腰掛けて近況報告と仕事の愚痴が始まりました。(彼はユーモアのある人ですが、何をやってもスムーズに事が運ばずに、いつも誰かにその日のトラブルを話してストレスを解消しています。早く彼女が出来たら良いのですが…。) しばらくすると、ボートヤードの兄弟オーナーの1人、Davidもやって来て、小さなボートヤードの為、これでほぼ全員集合、それぞれのボートの舳先に乗ったまま、「お帰り!」と乾杯してくれました。
家族経営でアットホームな小さいボートヤード、オーナー兄弟の親の代からずっとお世話になっているボートヤードが私達のホーム・モーリング(停泊場)です。
Margが一番古株でその次が私達。昭和の日本の近所付き合いでは無いけれど、「紅茶が切れた!」とか「ミルク貸して!」という関係。「ボートのポンプの具合が変なの」と言えば、ボートヤードの皆んなが助け合い、誰かの誕生日だと言えば乾杯に集まり、時には一緒にパブに行ったり、インド料理を食べに行ったり。
「帰ってきた」という気持ちにさせてくれる場所です。
これから来年のシーズン開始までの間、ボート仲間に囲まれてAt Ease号はハウスボートになります。
昨年の4月からフル回転のボートシーズンを終えてもホーム・モーリングに帰れず、寒い冬を私達のケアなく、貸しボート会社の端っこでポツンと過ごしたAt Ease号、2月からは私達が乗ってはいるものの、エンジン整備はオイル交換と各フィルターの交換しか出来ずに、そのままロックダウン。そして6月からは私と一緒にロングクルーズと、At Ease号も相当に疲れているはずです。ゆっくりと休憩させてあげたいと思います。エンジン整備や塗装などで労ってあげて、来年快調なスタートができるように準備していくつもりです。
6月からクルーズして来た赤い線が、出発地点と繋がり赤い輪になりました。
そしてBidford on Avonまで延びて、久しぶりのミニ冒険、イギリス運河巡礼の旅「お一人様クルーズ」を無事に終了する事ができました。
このクルーズを機会に昔登録したブログを復活させて「お一人様クルーズ」の様子を書いてきましたが、せっかくなので今度はシーズン開始までの間、不定期ですが(今までも不定期でしたが😅)、ハウスボートとしてのライフスタイルを時折書いていこうと思います。
ブログで一緒にクルーズしてくださり、どうもありがとうございました!😊
イギリスの全体的な運河地図から見ると、こんな感じです。
(今更かな?と思いながら載せます😅)
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エンジントラブルから始まった、アンディとの3日間クルーズ
http://pook.exblog.jp/31572370/
2020-08-06T02:07:00+09:00
2020-08-11T09:44:41+09:00
2020-08-10T11:07:39+09:00
captainpook
お一人様クルーズ
バーミンガムで11:00頃に会う約束をしたので、私は早朝にBrierley hillを出発するつもりで身支度を済ませました。
エンジンのチェックの後、いつものようにキーを回してエンジンをスタート!
のはずですが、スターターモーターが苦しそうな音をたてるだけでエンジンがかかりません。
私が13年前に1人でボートに乗っていた頃、前のボートでも同様の事がありました。その時はメンテナンスの人を呼んだら、
「古くなると詰まるんだよ。」と言って、ハンマーでスターターモーターをガンガン叩いてエンジンがかかりました。
「これは応急処置。その内に部品交換になると思うよ」と説明されたのを思い出しました。
私もアンディのハンマーを出してきて、スターターモーターを何度か叩いてみました。
結果は先程と変わらず、エンジンはかかりません。
何だかモーターが痛そうで可哀想…。
更に強く叩く?
いや、壊れたらもっと大変。
もしかしてバッテリーの劣化かな?
今度はアンディの電気関係の道具箱からデジタルマルチメーターを出してきて、スターターバッテリーの電圧を確認。
12.9V
「⁇ 何も悪くないじゃん…。何で〜?」
あれやこれや悩んでいる間に時間だけが過ぎていきます。
アンディに電話をして事情を話したら、カーナビの目的地を変更して私の停泊しているBrierley Hillに来てくれる事になりました。
ウェルカムコーヒーを飲みながら、エンジンの症状とバッテリー電圧の報告をし、コーヒーを飲み終えたらアンディは直ぐにメンテナンス用のオーバーオールを着て、エンジンチェックを始めました。
そして私がやったようにバッテリーの電圧をチェック。やはり12.9Vです。バッテリーに計測棒を当てたまま、私に「エンジンをかけて」というのでキーを回すと、急激に10Vに落ちてスターターモーターが苦しそうな音をたてます。
「10Vでは無理だよね。」と言って、ジャンプリードを出して他のバッテリーに繋ぎキーを回したら元気よくエンジンがかかりました。
という事でバッテリーの劣化が原因。
問題解決しましたが、ジャンプリードだったら私でもできた…。
勉強不足にて反省…。
私達は普段ホテルボートの運航の為、スケジュール通りのクルーズが必須で、整備不良でクルーズスケジュールを崩す事ができません。こんな時の為の予備のバッテリーを1つ積んでいたので、ついでにアンディはバッテリーの交換もしてくれました。スターターモーターの交換にならなくて本当に良かったです。
でもせっかくの休みで来たアンディに到着早々メンテナンスをしてもらって、申し訳なく思いました。
エンジンが快調にスタートしたので、ランチを済ませてクルーズです。
ロックを1つ上り、タイタニック号のアンカーとチェーンを作ったネザートンを通り、2768mの長いトンネル(Netherton Tunnel)を抜けて、BCN (Birmingham canal navigation) に入ります。
ちょっと掘り下げたお話!
タイタニック号は北アイルランドのベルファストで造船されましたが、アンカーとチェーンはここブラックカントリーのネザートンで作られました。当時最大級の手作りアンカーと手作りチェーンだったと言われています。
1911年に出来上がったアンカーを最寄駅のDudley(ダドリー)まで20頭の馬で引っ張って行き、蒸気機関車でランカシャーのフリートウッドまで運んで、貨物船に搭載してベルファストまで運ばれたそうです。
2010年にそのタイタニック号のアンカーのレプリカが作成され、設置場所が決まるまでの1年間ブラックカントリー野外博物館に展示されることになり、当時の工場からダドリー駅まで20頭の馬で運んだ状況を再現するイベントがありました。
これが1911年の様子。
そして下の写真は1911年を再現した2010年の様子です。
話が外れてしまいましたが、このネザートンには3km弱の長いトンネルもあります。
昔のトンネルは電灯が無くて当たり前ですが、レジャーで復活した運河なのでトンネルの中に電灯をつければよいのに、そこは動物愛護の国イギリス。トンネルにはコウモリが住むので、電灯はありません。都市部の一般市民が歩道として使うトンネルには、コウモリの迷惑にならないように薄暗い明りが取り付けてあります。ネザートントンネルにもコウモリが飛んでましたが撮影できなかったので、ストラトフォード運河にあるブレンドウッドトンネルで飛んでいたコウモリの動画を下記に見れるようにしています。
BCNに入ってからはバーミンガムまでとにかくひたすらクルーズです。昔の工場跡やバーミンガムの中とは思えない程に緑に囲まれたエリアもあります。そしてバーミンガムの中心に入るとやはり人が多い…。
20年前は「危ないから停泊を避けた方が良い」と言われるバーミンガムでした。
現在は昔の倉庫などの面影を残した水辺開発をして、トレンディなレストランやホテルが立ち並ぶ運河沿いは、セキュリティーカメラも多く、訪問者停泊場所が足りない程のホットスポットへと変わりました。
でもアンディは人混みが嫌いなので、中心部を通り過ぎてバーミンガム大学の緑の多いエリアで停泊。
翌日はチョコレートのいい香りを楽しみながら、イギリスの代表的なCadburyチョコレート工場の前を通過。北Stratford upon Avon運河へ入り、トンネル1つ、跳ね橋3つを通り、緑の中をどんどん進んでLapworth Flightの手前で停泊。
次の日は朝から9連続ロック、その後すぐに適度な間隔でロックがありKingswood Junction。南Stratford upon Avon運河に入り。とんとんWootton wawenまで来て停泊。
翌日は午前中だけクルーズでStratford upon Avon一歩手前のWilmcoteまで来てしまいました。
私1人の時は無理せず1日3時間程度のクルーズでしたが、アンディと一緒だとガンガン進みます。
1日のクルーズ時間は平均7時間前後。距離にして約60㎞、ロックの数38、跳ね橋3つ。
アンディはWeston super mareに帰って行きましたが、私は1人で力が抜けたように疲れて、へなちょこになってしまいました。
次は1人でWilmcote Flight 12連続なので、その前に少し休養する事にします!
アンディとの3日ちょっとの長距離クルーズを8分の動画にまとめました。
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Wombourne~Brierley hill
http://pook.exblog.jp/31556669/
2020-07-30T02:01:00+09:00
2020-08-04T18:11:31+09:00
2020-08-04T07:53:27+09:00
captainpook
お一人様クルーズ
このあたりに来ると写真のような旗を頻繁に見かけますが、これはブラックカントリーの旗です。
旗には地域の歴史と特徴が詰まっているようです。
白い三角形=ガラス工場の円錐形の煙突
黒い部分=昼間は煙やススで真っ黒け
赤い部分=夜は鍛冶屋やガラス工場の炎で空が赤く染まる
チェーン=多くの人が行っていたチェーン作りを中心に繁栄した場所
Stafford & Worcester 運河からStourbridge 運河の入り口であるStourton Junctionまでは、この地域で特徴的な赤い岩肌と深緑色の木々に包まれた森の中のクルーズです。
Junctionで4つの連続ロックを上り、私のお気に入りの場所で停泊。特に訪問者用停泊場所という訳ではありませんが、ボート1艇分だけ護岸が整備されているので、近くにボートが停泊する可能性は極めて低く、目の前に広がる景色を独り占めできる秘密の場所です。
翌日はStourbridge16と呼ばれる16連続ロックです。これより先は市街地を通る為、のんびりした気持ちで停泊できる場所はしばらくありません。もし途中で安全な停泊場所を見つけることが出来なければ、もっと先まで進んでDelph 8rennzoku ロックも通過しなくてはなりません。自分の安全は自分で守らなければいけないので、最悪の場合には24のロックを通過する覚悟をしました。
とりあえずはお気に入りの場所でのんびりと馬を眺めて、ここでたっぷりと自然を満喫して行くことにしました。
午後~日が沈むまで7時間もの間、ぼ~っと馬を眺めて過ごし、充電完了!
「一人で何もしないで景色を眺めている時間って贅沢だなぁ」と思いました。
さて、翌朝元気に出発です!
16連続の途中、ボランティアロックキーパーが現れて手伝ってくれました。でもCanal&River Trustの正式なボランティアではありません。彼の名前はジョン。この運河の近くに住んでいて、おそらく軽度の知的障害があると思いますが、とにかくロックワークが好きなのです。
その昔あるボートマンから1940年代に製造されたレア物のウィンドレスを譲り受け、ジョンはそのウィンドレスでロックワークを手伝ってくれます。
少々シャイで控えめな彼は
「このウィンドレスは僕が頑張ったから、そのご褒美として譲り受けた大切なウィンドレスだ」と教えてくれました。
ハンドル部分にテープを貼ってその上に大きな文字でJohnと書いてあります。
「絶対に運河に落とさないようにしないとね。私は何度か落としてしまって、強力磁石でウィンドレスを釣り上げるのに大変だったわ」というと、ジョンに笑われました。彼はまだウィンドレスを運河に落としたことがないそうです。
ジョンは3年前に私と初めて出会った時のロックも、その時の状況もちゃんと覚えてくれていました。 何だか嬉しいです。
途中ジョンが手伝ってくれたので、比較的トントンと16連続ロックを上り、予定していた時間よりもやや早いテンポで進んだので、思わず勢いで「Delph8連続まで行ってしまえ!」と先に進んだ為、本日のクルーズ時間は休憩なしの7.5時間、合計24のロックを通過しました。
今回の一人クルーズで最長クルーズとなり、くたびれました。
停泊場所は、Brierley HillにあるMerry Hill 大型ショッピングセンターを見下ろす丘の上です。
停泊後、腰を下ろしてビールを開け、翌日は休日にすることに決めました。
さて、今日は休日~!
「自分へのご褒美で何か買おうかな?」とマスクをしてショッピングセンターに行きました。
何だか緑のないコンクリートやプラスチック、ガラスに囲まれて、皆マスクをして巨大な建物の中を歩いている様子が異様に感じました。
4時間ふらふら歩いて見ても、特に何が欲しいという訳ではなかったので、買ったものはTシャツ1枚だけ。
明日は30度越えで暑くなるという天気予報を見なければ、多分このTシャツも買わなかったと思います。
ご褒美どころか、楽しいとか幸せとか感じることもなく、ただ歩き疲れてしまいました。無駄な休日を過ごした気分で少々ブルーです。
そんなところへアンディから電話がありました!
明日から3日間休みになったので、ボートに来るそうです。
ここ、ブレアリーヒルからバーミンガムまではロックが1つだけ、5時間位のクルーズで着いてしまう距離。
という事は、アンディが一緒だったら急激に「お一人様クルーズ」が終了間近になってしまうかもしれません。
「アンディには来てもらいたいけど、お一人様クルーズはまだ終わりたくな~い!」
というのが、本音です。 さて、どこまで進むだろう…。
WombourneからBrierley Hillまでの2日間をまとめて動画にしてみました。
(運転しながら画面を確認できずに撮っているので、美しい画像ではないです。ご了承を!)
とりあえずは雰囲気だけでも伝わると良いのですが…。
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思い出のBumble Hole
http://pook.exblog.jp/31542760/
2020-07-27T04:02:21+09:00
2020-07-29T20:08:32+09:00
2020-07-29T20:06:18+09:00
captainpook
お一人様クルーズ
Autherley JunctionからWolverhamptonへのJunction入り口を横目に進みます。
Wolverhampton駅に通じる線路の下を通り、更に南下します。
South Staffordshire railway廃線跡の遊歩道の下も通りました。
いくつかロックを通りましたが、その内の一つAwbridge lockは幽霊が出るのだとか…。そんな雰囲気は全く感じられませんでした。ロックで一段下がりボートをロックから出してゲートを閉じないといけないのですが、壁の小さな切れ目から乗り降りして、頭を橋のアーチにぶつけないように階段を駆け上がり、ゲートを閉じて、また壁の小さな切れ目からボートに乗るという、障害物競走のようなロックでした。
そしてBratch Locks、1772年にJames Brindleyが計画したのは、階段状の3段のステアケース(1つのロックをでたら、既に次のロックに入っている状態のロック)でしたが、後に変更されて3連続ロックになりました。
でもロックとロックの間は1m前後離れているだけなので、上から来たボートと下から来たボートがすれ違うスペースは全くありません。通常ロックキーパーがいて交通整理とロックワークをやってくれます。
下記のリンクは2つ目のロックに入る所からの動画です。
https://youtu.be/SBY51dNo2RU
Bratch Locksの次はBumble Hole Lock、このすぐ近くにパブがありますが、私のナローボートライフの中でも1番思い出の深いパブです。
長くなりますが…
かれこれ10年程前の話ですが、60代の日本人のご夫婦を乗せて10日間のクルーズでした。目的地はストークオントレント、なので今とは逆方向に向かっていました。
このStafford&Worcester運河の終点はStourportで、セバーン川につながっています。
そのStourportで隣りに停泊したボートは10年前には珍しい女性1人のシングルハンドでした。アンディ曰く「あの人は男だ」と言うのですが、ピンクのタンクトップを着て、胸もあったし、背は大きいけど、そう言う人はいくらでもいるから女性でしょ。と思っていました。それから3日間の間、ランチ休憩や1日の終わりの停泊地も同じで、抜かされたり追いついたりする度に窓から笑顔で手を振り、小さな会話を交わすようになりました。
アンディは「あれは絶対に男だ」と引きません。お客様もご主人は「男だ」奥さんは「女性でしょう?」と私達のボートでは意見は2つに分かれていました。
1日の終わり、夕食を食べる為に、ここBumble Holeのパブに来ました。お天気も良いし、私達もプーク(犬)が一緒だったので、お庭のテーブルで食事する事にしました。(ちなみに10年前までは私達も飲んでOKだったのです)
運河のトウパス沿いでパブの敷地との境目には低い木のフェンスがあるだけで、運河を行き交うボートがよく見えるようになっています。私達はほぼ中央に位置するテーブルに陣取って食事を食べ終え、ほっと一息ついていました。
私達の他にもお庭でこのお天気を楽しんでいるカップルも何組かあり、運河に近い場所ではテーブルを3つもくっつけて、体格の良いビール腹の男性たちが十数人のグループで大声で笑いながら楽しそうに飲んでいました。
するとラブラドールに引っ張られて散歩している若い、露出度の高いお洋服のグラマーな女性がトウパスに現れ、ビール腹の男性達は彼女に口笛を吹いたりしています。私達は「酔っ払いだなぁ」と見ていました。すると彼女のラブラドールが私達のプークに気付き、スゴイ勢いでパブガーデンの入り口から私達のテーブルに駆け寄って来たので、彼女はハイヒールも脱げ、胸がポロリとするくらいにガーデン入り口で派手に転び、すぐさまビール腹の男性グループが駆け寄って彼女を助けました。彼女の犬は私達のテーブルに来てプークの匂いをクンクン嗅いで尻尾を振っています。
彼女はラブラドールを引っ張って2つ先のテーブルに腰掛けて身なりを整えています。
すると向こうから見慣れた人がビールを持って私達のテーブルにやって来ました。
「顔見知りがいて嬉しいわ!一緒に座っても良い?」 男性か女性かわからないボートの人です。 私は「どうぞ、どうぞ!」と言うと同時に彼女はアンディとお客様のご主人の間に腰掛けました。私達のお客様も全く知らない人じゃないし、真実を知るチャンスができて嬉しそうです。
アンディは関わりたく無いので、困った顔をしていました。
「私の名前はリアンよ。いつも窓から手を振ってばかりだったから、一緒に飲めて嬉しいわ」
私達もそれぞれ自己紹介をして、握手しましたが、その時、大きな男の人の手だと思ったのを覚えています。
お客様とも「日本のどこから来たの?」「イギリスはどう?」「ナローボートのクルーズで見る風景は、普通の旅行では見れないイギリスの景色よ」などリアンが会話をリードします。私は通訳に必死でした。いろいろ話しをしていくうちにリアンの方から
「私ね、性転換手術を受けたのよ。男性として結婚もしてたし、子供もいたけど、このまま自分を偽って一生終わっていいのかずっと悩んでいたの。それで性転換手術の決断して家族に話したら理解してもらえなくて、親友だと思っていた人達も皆私から離れて行ったわ。仕事も辞めて、家も出て、家族も居なくなって、今はボートで一人暮らし、新しい仕事を見つけて女性として人生をやり直し始めたところよ。新しい仕事になって初めての2週間のホリデーなの。北ウェールズの水道橋に行こうと思ってるの」
何だか重たい話、お客様に全部通訳して、「たくさんの辛い時を乗り越えてきたんだね。」と日本チームみんなでリアンの決断を讃え励ましました。
すると、あのグラマーな女性がワインを片手に私達のテーブルにやって来て、
「ここのテーブルの方が面白そう、仲間に入っても良い?」
「えっ? あの…どうぞ」 わたしの横に腰掛けました。お客様はポカンとしているので、「このテーブルが楽しそうだから加わりたいそうです」と説明し、ご主人の方は笑顔でウェルカムです。そして皆また自己紹介です。グラマーな彼女は「私はエミリー、ポールダンサーよ」
「ポールダンスって、棒に絡まって踊るやつ?」
「そう、夜の仕事だから昼間はジムに行ったりエステに行ったり、今日はボーイフレンドとここで待ち合わせなの」
私はお客様に通訳です。
するとガタガタガシャーンと音が聞こえ、音の方向を見てみると、エミリーのラブラドールがくくりつけてあったリードでテーブルごと引っ張って私達の犬プークを目指してやってきます。
すごいパワーの犬です。プークは私達の顔をチラチラ見上げてどうすれば良いのか困っている様子。アンディがプークに「ステイ」というとお座りしてテーブルを引っ張ってくるラブラドールを見てました。
若いウェイトレスさんがテーブルから倒れたグラスやお皿を拾いに飛んできました。
エミリーが立ち上がり、ラブラドールをテーブルから外して私達のテーブルに連れてきました。プークとラブラドールはテーブルの下で犬同士で何か話しているようでした。
テーブルの上ではエミリーがリアンに「聞こえちゃったんだけど、性転換手術受けたの?」
「そうよ、失ったものも多かったけど、得たものも大きいわ。これも手術で手に入れたしね!でも本当はもう少し大きくしたいの。」と言って笑いながらリアンは自分の胸を指差しています。
「ちょっと触っても良い?」エミリーがテーブルから身を乗り出してリアンの胸を触りながら、「私もこれ豊胸手術したのよ。仕事上ね、大きい方がウケるから」
「えっ、そうなの!」と言って、2人はテーブル越しにお互いの胸の感触を確かめています。
私達のお客様は一体何がどうなっているのか、早く説明して〜!という目で私を見ているので、私は必死で実況中継的に彼らの会話を通訳しました。
アンディは目のやり場に困って、そっぽ向いています。目立つ2人のこの行為はパブガーデンでくつろぐ人達の注目の的になっています。
すると今度は普通の若い男性がドリンクを2つ持って私達のテーブルにやって来ました。
エミリーがすかさず「私のボーイフレンドよ」
彼はアンディの横に腰掛け、アンディはやっと普通に話せる人間が来たと思って彼と会話をし始めました。少しの間リアンとエミリーは豊胸手術について情報交換していましたが、エミリーのターゲットが今度は私に向き、「日本人の黒髪って憧れるわ」私の髪を撫で始めました。すると急に立ち上がって私の背後に立ち、私の髪を編み込みにしていきます。
何だかよく分からないけど、Noと言えない日本人で、されるがまま。
しばらくするとお客様の奥さんが、私に小声で「あの人どうして泣いてるの?」と聞きました。
「えっ?」とその方向をみるとエミリーのボーイフレンドが、アンディの横でボロボロ涙をこぼしています。
アンディは少々困ったような暗い顔をしていました。
「私にもわかりません。後でアンディに聞いてみます」とお客様にはお答えしました。
アンディは立ち上がり、「ドリンク買ってくるよ。飲みたい人いる?」と聞きましたが、みんな「まだあるから大丈夫」との事だったので自分の分だけ買いに行こうとすると、リアンが「待って私トイレに行く。」2人でパブの中に入って行きました。
リアンが先に戻り、アンディがドリンクを買って戻って来た時にはエミリーは私の髪の編み込みを終えて、ワインを飲んでご機嫌です。
私は予期せぬ出来事の連続とその実況中継的な通訳でくたびれてしまったので、お客様に「アンディが飲み終えたら帰りましょうか?」と提案しました。
アンディに、飲み終えたら帰る事を伝えると、5分以内には1パイントをさっさと飲み終えて、リアンに「僕達ボートに戻るけど、どうする?」と聞いています。
結局リアンも少し残っていたドリンクを飲み干して、私達はエミリーと彼女のボーイフレンド、プークはラブラドールにさよならをして、ボート組は一緒に停泊場まで歩いて帰りました。
翌日はAutherley Junctionなので、リアンはShropshire Union運河へ、私達はStafford&Worcester運河をそのまま北上なので、別々になります。リアンは最後の夜に一緒に飲めて良かったとご機嫌でした。
お互いこの先のロックを頑張ろうと握手して別々のボートに入って行きました。
ボートに帰った後で何故あの男性が泣いていたのかアンディに聞くと、
「仕事は何?という話しになってさぁ、彼は退役軍人になったばかりで仕事を探しているって言ってたんだ。アフガニスタンから帰ってきて辞めたらしい。そしたらアフガニスタンの事をどんどん話し始めて、友人が目の前で撃ち殺されたり、トラックを爆破されて亡くなった友達もいるとか言って泣き始めたんだ。どうしようかと思ったよ。」
「それよりもさ、僕がドリンク買いに行ったらリアンがトイレに行くってついてきただろ?女子トイレに入って行ったから安心したけど、1人でカウンターで注文の順番を待ってたら、ローカルの体格の良いグループの1人が隣にピッタリくっ付いてきて、「お前は歓迎するけど、お前のテーブルの連中は歓迎できないな」って言うんだよ。喧嘩売ってきてるみたいで、すごく怖かったけど、もう殴られるの覚悟で「僕は好きであのテーブルの人達といるので、歓迎してもらわなくてもいいよ」って言ったんだ。
リアンみたいな人は苦手だったけど、彼の、いや彼女の話しを聞いて僕自身がちょっと変った気がするよ。今までリアンみたいな人達は僕には関係ないし、違和感もあるし避けて来たけどさ、自分でも「歓迎されなくて結構」って口から出た時にはすごく怖かったけど、何か自分の中で変わった気がしたんだよ。リアンはいつもあんなやつらのターゲットにされるのを覚悟してるんだろ?逆にエライよな。だからボートに戻る時、リアンをあのパブに置いて行ったらヤバイと思ったんだ。守ってくれそうなソルジャーはベソかいてるしね。何だか疲れたね。これから先も今日の事は忘れられないだろうね。」
「うん、濃い1日だった。疲れたね」
翌日の出発は私達が先でした。リアンのボートを通り過ぎる時、彼女はパジャマ姿で窓からニコニコと手を振って「Safe Journey!」と言っているのが口の動きでわかりました。
以来、運河でリアンと出会う事は今だにありません。
リアンに会ってから実際にアンディは変わりました。今はマリアという性転換手術をした知り合いもいるし、私は一緒にお茶したり、アンディも普通にお話しします。
性的マイノリティの人達の苦しみ、戦争で心が傷ついてもがいている人達、身体や見かけを売りにして一生懸命生きる人達、みんなそれぞれ肩に重い荷物を背負って一生懸命に生きています。その一生懸命さをコミカルに軽いタッチで笑いにして受け入れ、前を向いて生きていく人達を温かく描くイギリスのコメディ映画が、目の前で実際に起こったかのようでした。
そんな訳で、Bumble holeは思い出深い場所です。
今日はここに停泊。
リアンはどうしているかしら?
エミリーは10年経った今も踊っているのだろうか?
ボーイフレンドはアフガニスタンのショックから立ち直って新たな仕事をしているかしら?
プークは天国へ行っちゃったけど、あのラブラドールは歳とって落ち着いたかな?
いろいろな事を思いながら、今日は1人ボートでワインを飲んでます。
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Autherley Junction に到着
http://pook.exblog.jp/31527969/
2020-07-24T23:36:23+09:00
2020-07-26T16:59:32+09:00
2020-07-26T11:28:47+09:00
captainpook
お一人様クルーズ
何故丸いタワーのようになっているのか疑問なのですが、調べても理由は解りませんでした。
この運河もオックスフォード運河やトレント&マージー運河と同様にJames Brindleyの手がけた運河で1772年に完成したものです。彼の作ったWeir(ウィア/オーバーフロー)は丸い形で、Stafford&Worcester運河の特徴の一つになっています。James Brindleyは丸い形が好きだったのでしょうか。
このGaileyロックを超えたら、Stafford&Worcester運河で1番標高の高いエリアに入ります。今までのロックは全て上りでしたが、Wolverhamptonを過ぎたら全て下りになります。
この日はお天気が良く、MidlandのWolverhamptonに入る前に「周りに何もない田園地帯でのんびりしたい」という気持ちで操船していたら、理想にかなった場所を見つけたので早めに停泊しました。船首にデッキチェアーとお帽子を準備して、リラックスタイムの準備完了! デッキに座って、冷やしておいた白ワインで綺麗な空と緑に乾杯😊
翌日はまず初めにボート1艇ギリギリの狭い場所を通ることになります。すれ違いポイントが数カ所あるけれど、できれば誰も来ないうちに通過したいので早朝出発にしました。
下記のリンクは、狭い場所を通過している動画ですが、4倍速にしてあります。
https://youtu.be/F8XbMzfzTBI
何とか無事に、他のボートが来ないうちに通り抜けることができました! これで一安心!
少し行くと、ポプラの木がきれいに並んでいました。木の向こうは学校のようです。いい景色!
これから狭いエリアに向かうナローボートとすれ違いました。「がんばってね〜!」
この後で、私が今いる運河Stafford&Worcester運河と、今年の4月に行く予定だったShropshire union運河の交差点、Autherley Junctionに到着です。
よく見えないかもしれませんが、私がクルーズして来たGreat Haywood、これから向かう方向の終点Stourport、そしてShropshire unionのChesterと書いてあります。
このAutherley Junctionで1泊して、午後は近辺を探検することにしました。
まずはAutherley Junction探検から。
これはStourport方面から来て、Chester方面へ向かう運搬船の牽引ロープが擦れた跡です。このように当時の様子を想像させてくれる痕跡があらゆるところに残っているのが運河の良いところです。
このロックは、数センチの段差しかありません。
ここから運会社が変わるので、通行料を徴収する為のロックです。
そして地図上で列車の廃線跡が遊歩道になっている場所を発見したので、プチウォーキングに行きました。
大変よく整備されていて、当時の駅舎もティールームとして保存利用されています。
ウォーキングの途中でティータイムやトイレ休憩が出来るのも魅力です。残念ながらティールームは現在コロナの影響で閉じたままでした。
途中でアナグマの巣穴と思われる、大きな穴も発見しました。夜になったら出てくるのかな?
廃線跡の遊歩道から出て、帰りは運河沿いでボートまで戻ってきましたが、その途中で私が悩んでいたもう一つジャンクションを見に行きました。
Aldersley Junctionです。ここに入るとWolverhampton21連続ロックで、Wolverhampton駅の近くが1番上のロックで、そこからバーミンガム方面へ行きます。
21連続のロック作業は大変ですが、それよりも重大な問題は水草です。Wolverhamptonトップからブラックカントリー野外博物館の近くにあるFactory Junctionまで、普段でも水草がスクリューに絡まり、エンジンを止め、ウィードハッチを開けては、手を突っ込んで絡まった水草を取り除かなくてはいけません。前回も前々回も何度もエンジンを止めて風に流されながら水草を取り除きました。
今回は1人でやらなければいけない…。ロックダウンでボートが全く通らなかったので、水草はスクスク育ったはずです。
私が歩いている間も水草がちらほら見えています。
このウォーキングで、Wolverhampton21連続ロックには入らないことに決めました。少々遠回りになりますが、もう一つ先のジャンクションからStourbridge経由でバーミンガム方面を目指します!
ボートに戻り、窓からジャンクションのサインポストを眺めながら晩御飯を食べました。
昨日の残りのワインと具だくさんのホワイトソースパスタ。
でもパスタを1人分作るって難しいですね。これ2人分くらいになると思います。
食べ過ぎました…。
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ロックワークで助けてもらった
http://pook.exblog.jp/31513421/
2020-07-21T21:22:00+09:00
2020-07-22T13:08:05+09:00
2020-07-22T02:39:11+09:00
captainpook
お一人様クルーズ
川を緑に覆われた河原を右手に見ながら進むと、今回の私のクルーズでの最北端地点です。
ここでロックでSow川に降りてStaffordの中心まで繋がっていたそうです。このリンクがオープンしたのが1816年、それと同時にStaffordでの石炭の値段が急激にお手頃になり、この水路を取り巻くビジネスも賑わっていたようです。しかし第一次世界大戦からこの支線の交通量が減り続け、終戦後1927には使われなくなっていたようです。1944年の時点で既に現在のように運河の交差点も閉じていたという記録があります。でも現在この支線を復活させようという動きはあります。もう一度繋がる頃、私は老人ホームにいるか、既に灰となっているか分かりませんが、是非頑張って実現してほしいです。
さて、私のクルーズは最北端地点を通過したので、これから南下する一方です。再び運河地図を載せますが、赤い線が今までのクルーズルートです。現在Penkridgeを過ぎた所で次の大きな町はWolverhampton。Stafford&Worcesterに入ってからはMidlandまではあっという間です。 Great Haywood junction手前辺りからアンディの家族や冬季停泊場の友達から「今どこ?いつまでクルーズするの?」という電話を受けていて、「もう半分過ぎました!焦って怪我したくないから無理のない程度でゆっくり帰途に就いています」と答えておきましたが本当は帰りたくない〜! Sow川を使ったStaffordへのリンク地点を過ぎてからはPenkridgeまでPenk川に沿ってひたすら南下です。途中に位置するActon Trussellという村の名前の響きが良さそげでしたが、特に興味を惹かれる事が見つからなかったので、Acton Trussell手前の農家の近くで一泊し、翌日のクルーズでは素通りしました。運河沿いの家々はモダンなお家がいっぱいで、少し運河沿いの古い村のイメージよりかけ離れた感じがしました。
次々とロックを上っていきます。連続では無く、それぞれ間隔があいているので10分クルーズしてはロックワークの繰り返しみたいな感じです。
小さな町Penkridgeでは給水、ゴミ捨て、汚水処理ができます。
このロックの手前にThe Boatというパブがありますが、コロナでまだ安心できないのでパス。
ロックのすぐ後で様々なサービス施設があるので、ここで一旦停泊しました。
汚水処理の所には手を洗える洗面台も設置してありますが、そこで見つけたのがこれ。
Armitage Shanksの洗面台です。Rugeleyの手前にあった村、Armitageの運河沿いに大きな工場を構えていたイギリスのToToです。あの工場からやってきたのですね。何だか小さな嬉しい発見でした。
全てのサービスを終えて再び出発。次のロックに着いたら、あれっ? ロック作業の為にボートを係留する場所にロープを舫う所がありません。
「いったい、どうすれば良いの?」
一生懸命に草の中にリング状のロープを舫うものが隠れているんじゃないかと探していた所にカップルが通りかかり、男性が
「ここはロック作業用のボラードが無いんだよ。ウィンドレス貸してくれたらロックやってあげるよ」と、何て良い人!この2人が天使に見えました。きっとこの辺りにボートを持っている人に違いありません。
ロックの水を抜いて、パートナーの女性と一緒に、私の頭上3mの所でゲートを閉めてはパドルを操作して、ロック内の水位をどんどん上げてくれました。
3分の2くらい水が溜まってきたのでパートナーの女性が私に話しかける為に船尾の方に来ます
「Stratford upon Avonであなたと会った事があるわよ。」
「えっ?本当?あなたのボートの名前は?」
「Ecripse」
「あっ見たことある気がする。緑色のボートじゃない?」
彼女は私が覚えていた事にエキサイトしたのか急に早口になり、しかも訛りが激しく何を言っているのだかさっぱり聞き取れず、目が点🙄になってしまいました。
「Perdon?」すると再び、
「£&@/()」-#%*^{}*+€$, /:@(£&-. &@“”;:%#_+*@://*^{_$・~@“0%!?*+¥=">{#?.,!.€€><#%|_]#*++•}+’b?」
「🙄…。」まずい、さっぱり聞き取れない…。
何言ってるの?この人〜😅。
すると、男性が「ゲート押して!」と女性を呼んだので助かりました。
ボートをロックから出しながら男性にもお礼を言って少しだけ会話しましたが、男性の方は特に訛りはなく大丈夫でした。女性にも笑顔でサヨナラしましたが、彼女は何を話したかったのだろう? 英会話を勉強し直さないとダメかな?さっぱり分からなかった…。少々凹みましたが、気を取り直して次のロックへ。
ロック内に入って水を入れて上がっていきます。水位が揃ったのでゲートを開けようとバランスビームに体重をかけてお尻で後ろ向きに押しますが、びくともしません。
「水位が揃いきっていないのかな?」
水面をよ〜く観察しましたが、水の流れは止まっています。もう一度トライ。
ものすごく踏ん張っても少しも動きません。
近くに誰も居ないし、住宅もない野原の中です。前向きに押しても、お尻で踏ん張っても、どうやっても動かない…。
すると私の後を追ってくるボートがロックに到着しました。彼らは旦那さんが運転専門で奥さんはロックワークという役割分担のようです。前回のロックでも奥さんがボートから降りて作業をしてました。
ゲートが動かないので一緒に押してくれるように頼みに行くと、奥さんが来てさっさとお尻をバランスビームにのせて体重をかけると、私はまだ押してもいないのにゲートが開き始めました。
「あら、動くわよ。」と奥さん、
😲 私は再び目が点です。
この人のお尻はパワフルだ…。
「先程まで私が何やっても動かなかったの。手伝ってくれてありがとう」感謝です。
信じられない!びくともしなかったのに…。
確かに私より縦も横も全てに体が大きいけど、パワフルな牛のようだ。と思いながら次のロック、Rodbaston Lockを目指しました。白い生地に大きな黒の水玉模様のタンクトップを着ていたから牛のイメージが浮かんできちゃったのかもしれません。
ロックのすぐ横にイギリスで一番長い高速道路のM6があります。その昔ロックキーパーの家がこのロック横にありましたが、1958年にM6が開通してから、そこに住んでいたロックキーパーは高速道路の騒音に耐えられずに引っ越して、ロックキーパーの家は取り壊されました。
確かに車やトラックの音がひっきりなしで、24時間この騒音では私も引っ越すと思います。
ロック作業が終わってまた次のロックへ行き、今度は問題無く通過。
そして次のロックを目の前にした途端に
「いや、今日はもう ロックはこれで充分。」と
もう1人の自分がストップをかけました。
ゲートの目の前まで行っていましたが、バックして停泊する事に急遽決定!
そう、無理はしないで休みます。
停泊してから、次々とボートが停泊して、今、私の後ろに8艇のボートがいます。
ロックを通っていたら停泊場所を求めて運河をさまよっていたかも知れません。
停泊して正解でした〜。😊
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Trent&Mersey運河からSttaford&Worcester運河へ
http://pook.exblog.jp/31506228/
2020-07-18T15:14:04+09:00
2020-07-20T05:40:57+09:00
2020-07-20T05:40:57+09:00
captainpook
お一人様クルーズ
でも何もない所が好きという人は私だけではないようです。朝カーテンを開けたら充分な距離はあるものの前後に5艇も停泊していました。
朝食後に再び出発したかったのですが、ひっきりなしにボートが来るので、結局午後の出発になってしまいました。2つロックを超えたらTrent&Mersey運河とStafford&Worcester運河がつながるGreat Haywood Junctionに着きます。
途中には私が傘として使えそうなくらい大きいジャイアントルバーブ(日本ではオニブキ?)が運河の水で育っていました。
思わずジェラシックスパークのテーマを口ずさんでしまいました😅
ロック待ちの列に並んでいると地元の人が話しかけてきました。
出発時からTrent川向こうにあるCannock Chaceからずっと銃声が聞こえていたので、軍の射撃訓練場でもあるのかと聞いてみると、一般人の射撃場で、この方の親友がマネージャーを務めていると言ってました。
写真の白い建物は昔のロックキーパーの家、対岸には昔っぽい農家があり、ロックの順番を待っている間にハトが私のボートで休憩していました。足にタグが付いていたのでレース用のハトでしょうか?
燃料ボートのお髭の方がアドバイスしてくれた通りに、次のロックの手前で1泊する事にしました。黒い橋をくぐったらすぐに停泊です。
私の停泊位置からは、次のロックが見えていました。この後、近辺を探検😊
Great Haywood Junctionに近づいたからか近所のお散歩の人が多く、皆ロックの手前にかかる橋を渡って行きます。私も後に続いて行ってみるとTrent川を渡る橋につながっていました。
Essex bridgeです。地図上で事前に確認していましたが、これで距離感がつかめました。
16世紀に建てられた橋で、荷物を運ぶ馬が荷物を擦らずに通れるように橋の欄干は低くなっています。橋の幅はナローボートと同じくらいです。2mくらいかな?
この橋を渡りきったらShugborough Hall、ナショナルトラストの管理です。昔来た時にはStaffordのカウンシルの管理で、もっと自由に歩けたのですが、今はもうダメみたい。
そこら中がフェンスだらけです。
近づけないので、運河に引き返してジャンクションに歩いて行くことにしました。
と、ここまで来たら雨が降り出したので大急ぎでボートへ戻り、ご飯を作ったり洗濯したり、船内でおとなしく過ごしました。
そして翌日は良いお天気‼︎ 昨日の続きで午前中はジャンクション周辺をお散歩。
このベストロケーションには、大手貸しボート会社の一つ、Annglowelsh Waterways Holidayがあります。
そして10年前にはこの近くの運河沿いにファームショップがあって、大きな物置き小屋みたいな建物でいろいろあって楽しかったので、どうなっているか見たかったのです。
すご〜くバージョンアップしてました!
駐車場は砂利だったのに、アスファルトになって、カフェまでオープンして、10年一昔とは言うけれど、進化してました。
ファームショップではここで焼いてる手作りパンとソーセージロールを購入。ソーセージロールはたくさんの種類がありましたが、オリジナルのプレーンなものが一番そのクオリティがわかるだろうと思って、普通のソーセージロールを食べてみることにしました。
ソーセージロールは美味しそうに見えたのですが、半分に切ってみると「んっつ?」ちょっと思っていたのと違う…。
お味は…断面を見た通りというか、スパムみたい。ソーセージロールというよりは、スパムのパイロールと呼んだ方が良いかも。
残念ながらこれは、ややハズレでした😅。
でも、パンの方はとっても美味しかったです。お勧めです💕
午後はTixall wideと呼ばれるエリアへ移動しました。
ロックを1つ上り、Great Haywood junctionでTrent&Mersey運河に別れを告げてStafford&Worcester運河に入りました。
ボートがズラ〜っと並んでいる所を抜けたらTixall Wideです。運河が急に大きな池のように広くなるエリアがあるのです。
今日はここTixall wideで停泊。
9時過ぎには夕焼けになりました。
そして水面にも空がありました。
美しい自然にうっとりとしながら、1人静かに飲むワイン🍷。
やめられないですっ!
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